Lesson 2-1 人体の構造

前レッスンで見たように、整体では心も含めた歪みや気など、身体以外の部分も重視することを学びました。ですが、人体の構造を完全に無視するわけではありません。

このレッスンでは施術の基礎となる人体の知識を身につけていきましょう。

骨格と関節

整体学で身体のことを語る際にまず欠かせないのは骨格関節です。身体が硬いという状態は基本的に、関節の可動域が狭い状態のことを指しますし、身体の歪みは骨格を構成する主要な骨が歪んでいることを指す場合がほとんどです。

関節

関節とは、骨と骨が連結している箇所のことを指します。大きく分けて可動関節」と「不動関節があり、私たちが通常イメージする自在に動くことのできる関節は可動関節です。不動関節は頭蓋のように動きを必要としない関節で、通常関節と呼んだ場合にはこちらを指すことはありません。

可動関節は骨の連結部分を取り巻く関節包、関節面を覆う軟骨でできており、関節包の外側に靭帯があります。その内側に関節の動きの潤滑油の働きをする滑液があります。

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赤色が関節を包む関節包で、その内層が滑膜。水色は関節軟骨。

 

姿勢が悪い、内面的なストレスによる歪みの影響など、関節に継続的に外からの力が加わり続けると、この関節の働きに支障が出ることがあります。

可動関節には以下のように様々な種類があります。

 

球関節

関節頭が球状で、もう1つの関節が臼状になって、卵と卵置きのような関係性でくっついているような関節。関節のなかでもっとも運動範囲が広い。肩関節などが該当する。

臼状関節

股関節などの関節の形。球関節と同様の形だがより深くフィットしているため運動の制限が大きい。

平面関節

向き合う骨が同じような大きさの関節で、動きの制限は大きくあまり動かない。手根間関節、椎間関節などが該当する。

半関節

関節だがほとんど動かすことのできない関節。仙腸関節などが該当する。

蝶番関節

関節頭が円柱のような形で、1方向だけの屈曲運動ができる関節。肘関節などが該当する。

 

このように、関節といっても様々な形態があり、それによって動きの制限は異なります。これが通常よりも動きが悪くなっていたり、ずれている場合に整体が有効になってきます。