Lesson 8-2 法的注意点

整体師はちょっとした不注意により法律違反となってしまっている事例もありますので、違反しないよう事前知識が必要となります。

このLessonでは整体&セラピースペシャリストの資格取得後に、整体師として開業・独立などの活動をする場合に必ず知っておくべき法的な注意点を学習していきます。

医業と医業類似行為

医師法でいう医業とは、「医師でなければ、医業(医療行為)をなしてはならない」とされており、医師による診察や治療など医学に基づいて行われる行為を指します。

医業類似行為とは医業と同じく、治療や健康管理を行う行為であるが専門的な知識や技能(資格など)を必要としない行為とされています。

また、医業類似行為は法的な資格制度のあるものとそうでないものの2つに分けられています。

  • 法的な資格制度のあるもの_あんまマッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師
  • 法的な資格制度のないもの_整体師、カイロプラクティック、気功、手技療法、電気療法、光線療法 等

そこから、整体師は「医業」ではなく「医業類似行為(法的な資格制度のないもの)」に分類され、届出や資格をがなくても開業・独立などをすることが可能ということが分かります。

しかし、医学的観点から人体に危害を及ぼすおそれがあれば禁止処罰の対象となるため、法的な資格制度がないからといって軽い気持ちで施術するのは危険です。

広告表現

整体院は法的な資格制度がないからといってどのような広告表現をしてもよいというわけではなく、あはき法(後述参照)の規制に従わなければなりません。

あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(あんまマツサージしあつし、はりし、きゆうしとうにかんするほうりつ昭和22年12月20日法律第217号)は、あん摩マッサージ指圧師はり師きゅう師の資質を向上し、もって医療及び公衆衛生の普及向上を図ることを目的とする法律である。通称はあはき法

出典:https://ja.wikipedia.org

あはき法において、医業類似行為の広告表現できる事項とできない事項は次のようなものがあります。

広告できる事項

  1. 業務の種類
  2. 施術所の名称及び電話番号
  3. 施術日または営業時間
  4. 予約・休日・出張による施術の実施
  5. 駐車場の案内

広告できない事項

  1. 流派
  2. 適応症(特にガン)などの誇大広告のおそれのある事項
  3. 所属学会
  4. 技能及び施術方法
  5. 経歴
  6. 出身校

広告は以上の広告表現に従って作成しましょう。

施術所の名称

施術所の名称は、病院分院、産院、療養所、診療所、診察所、 医院、その他病院又は診療所に紛らわしい名称を付けてはならない。

【例】 針療科、針療所、マッサージ科療院、クリニック 等

【適当な例】 東京はり治療院

※無届医業類似行為(療術)の場合は、施術院(所)、療術院等が相応しい。

【例】 治療院、整体クリニック

【適当な例】 東京整体施術院

※療術師(カイロドクター・カイロプラクター整体師等)は治療行為が出来ないため「治療院」の名称を自粛した方がいいと思われます。整体においては治療ではなく施術という見方をしましょう。

法律的には

治療院の看板をあげるだけでは、法には触れませんが、医療無免許者が自己の施設で治療行為(あんま・指圧・マッサージなどとみなされる行為)をした場合、警察から指摘されれば、あはき法違反で刑事罰を受けることになります。

◎広告等で表現で注意すること(療術)

治す× ⇒ 癒す ・ 和らげる の表現が適当

治療× ⇒ 施術 ・ トリートメント

 

整体師として開業・独立などの活動をする場合は以上の点に十分に注意しましょう。