Lesson 3-4 経穴調整実践

経穴調整前の条件

経穴調整前の1つ目の条件は「正確な経穴の位置を捕える」ことです。

経穴の調整の仕方で代表的なのが、一般的に肩もみなどで用いられる、親指で圧を加える方法ですが、正確な経穴の位置を知らなければ、効果は出ないというのが大半です。

では、どのようにして経穴を正確に捕えることができるのかというと、経穴は体調の善し悪しに密接に関係しているため、健康の時や体調好転に関係のない場合には反応しません

ですが、経穴の作用はいつでもどの場所でも効果が出るという思い込みから、体調好転に関係のない場所に圧を加えてしまっている場合があります。

ですから、マニュアル的に調整をかけるのではなく、経絡や経穴の作用に基づく部分にも触れてあげて「圧迫に際して生じる痛みがある」「周りと比較して少し固い、もしくはやわらかい」といった状態を感じることが必要です。そしてその場所こそが経穴の捕えるべき位置なのです。

2つ目の条件は経穴調整をする手の使い方」です。

手の使い方に関しては、一言で言うと技術的な問題です。1つ目の条件「正確な経穴の位置を捕える」を満たしていても、調整する手の使い方が技術的に未熟では当然ながら効果は出すことはできません。

ですから、技術的問題に対応するために、次の3つのポイントを抑えて経穴調整することが必要になります。

経穴調整3つのポイント

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1,圧の加減に注意する

参考書などには、圧を加える加減を具体的に数値化しているものもありますが、すべてがその通りとは限りません。人や症状の具合によって反応は異なるため、マニュアル的に行うと「余計痛くなった」、「全然効かなかった」というようなクレームにつながる可能性があります。

ですから、はじめのうちは相手に「痛くないですか、さらに強く押しても大丈夫ですか」というように尋ねながら行うことが大切です。

2,角度を意識する

圧を加えるときは角度がまばらだと十分に効果が出ません。適切に圧を加える角度とは、相手の身体の中心を意識し、接触面に対して垂直かそれに近い角度を意識しましょう。

反対に、足や手の指先、床に向かって行うのは不適切となりますので、効果が出る角度を常に意識しながら行うようにしてください。

3,自然のリズムを活用する

経穴調整には、早いリズムで圧を加える技法がありますが、状況によって反応が出ないことや逆に悪化させる可能性もあるため、基本は相手の呼吸のリズムに合わせてゆっくり行うのが妥当です。息を吐く時に圧を加えるといったように自然のリズムを利用するのが良いでしょう。