整体で直接アプローチするのは骨格や関節だけではありません。その周りを覆う筋肉もほぐしたり刺激をすることでアプローチしていきます。
骨と筋肉はくっついており、離すことができないことから骨格や関節と筋肉の機能は互いに関係しています。
筋肉の分類
筋肉は様々な方法で分類されますが、一般的には骨格筋、平滑筋、心筋の3つに分類されます。
一般的に筋肉と呼ばれるものは骨格筋で、細い筋線維が筋膜に包まれ、骨格と繋がり身体を動かす働きをし、本人の意思で動かすことができることから随意筋という分類にも含まれます。平滑筋は消化管など内臓の筋肉で、心筋は心臓の筋肉のことを指します。
そのほか、筋肉の見た目の色から分類されることもあり、ミオグロビンという赤い色素を多く含んだりミトコンドリアが活発な筋は赤く見えるため赤筋と呼ばれ、逆にミオグロビンが少ない、ミトコンドリアが不活発な筋は白く見えるので白筋と呼ばれます。
白筋は収縮速度が速く素早い動きをできる一方で疲れやすいのに対し、赤筋はゆっくりと持続的な運動をするのに適していて、心臓の筋肉などの構成も赤筋です。
全身の筋肉の働き
全身の筋肉にはそれぞれ細かい名称がついています。部位によってその働きが違いますので、整体を行うときにはその特徴を把握していく必要があります。
また、筋肉は表面に近い浅層筋と深いところにある深層筋があります。深層筋には直接アプローチすることは難しいので、深層筋に問題が生じていると考えられる場合には骨格の調整と合わせて考えるなどの工夫が必要になります。
この図以外にも、細かな筋肉の部位はたくさんあります。全てを覚えることは困難なので、代表的なものだけ以下にまとめます。
大胸筋(Pectoralis major)
鎖骨、胸骨、肋骨の上部と上腕骨上部に付着する筋肉で、上腕の屈曲、吸気運動などの働きに影響します。
三角筋(Deltoid)
肩の部分にある筋肉で、上腕を上げることに使います。
上腕二頭筋(Biceps)
肘関節を曲げるのに使います。
僧帽筋(Trapezius)
肩甲骨や鎖骨の動きに関係します。胸から肩の広い範囲に存在する筋肉です。
縫工筋(Sartorius)
ねじれるようにS字を描きながら膝と股関節あたりまでをつなぐ筋肉です。下肢の内旋、膝関節を曲げるなどの働きをします。
筋肉の状態を探ることで、体の歪みの原因や症状を探ることに役立ちます。ここで挙げた以外にも、少しずつそれぞれの筋肉の働きを覚えていきましょう。